その1 簿記3級 舐めてた

投資系YouTuberの両学長によると、小金持ちになるためには準備がいると言う。

資産5000万円の小金持ち山に登るための装備品の1つは「簿記3級」である。

装備品は色々ある。

例えば、使っていないクレジットカードの解約、使っていない銀行のキャッシュカードの解約、要らない保険の解約、高過ぎる保険の見直し、携帯料金の見直し、サブスクの解約、不用品の処分、などなど。

私はひとつづつ装備品の準備を進めて行った。

 

…「簿記3級」は、まあ、いいかな、だって、今更そんな商業高校の学生が取るような資格取ってどうするのよ、53歳パート主婦の私が…。

しかし、気にはなっていた。簿記って何?と。なぜ小金持ち山に登るために必要なのか?

 

そんな中、私を簿記3級に挑戦させる決意をさせたのは娘である。

 

娘は当時国立女子大の3年生であった。就活真っ只中である。4年生の先輩達やバイト先の4年生はその頃既に内定を貰っていて、なんとなく、もう違う道を歩き始めている。今までとはなにか距離ができつつある寂しさを感じていた。そして先輩たちが内定を貰った会社は、様々な業界であった。娘は食物科だったため食品業界を検討していたが、それでいいのか?と、日々揺らいでいた。正解など無いのかもしれない。

娘の数少ない友人の中の、さらに数少ない男友達のS君がH社の経理に内定が決まった。彼の父親もずっと経理をしていて、海外転勤も経験しているという。その影響らしい。その彼が「簿記3級」を取った、と言う。

娘は「すごいよね、いいよね経理」「自分も経理がいい」「大学選びを間違った」など、自分を卑下して人を羨む。私はS君のそこが嫌いなのかもしれない(知らない人だけど)。娘のそういう部分を本能的に嗅ぎ取り、近くに置くことで優越感に浸る。もしくは、助長させる。

 

私は言った。じゃあそんなにS君が羨ましいなら経理受ければ?今から簿記勉強しますって言えばいいじゃん、と。

 

私は娘を応援したい気持ちが少しと、この気持ちに便乗して簿記3級を取ってしまおうという下心から勉強を始めた。この気持ち?S君に対する娘の「すごいよね」に対抗するのだ。そんなの凄くないから。